*置き場所*
半日陰〜日のあたる風通しのよい場所に置きます。
夏の強い日差しを避けて風通しの良い半日陰になるようにします。
※植物により日差しを好む、半日陰〜明るい日陰を好む、乾燥気味を好む、保水のある土を好むなどそれぞれ適した環境で管理すると育てやすいです。
*水やり*
土の表面が乾いたら水を与えます。鉢底から水が流れるまでしっかり与えます。
水やりの時間帯は基本午前中にします。夏の暑い時期、乾燥が激しいときは朝、夕水やりをします。冬の夕方の水やりは避けます。夜は気温が低くなるので弱ります。
※環境や季節によって水を与えるタイミングが異なります。夏の日の当たる風通しの良い所では毎日水やりをする場合もあれば、冬は日の当たるところに置いていても3〜5日に1回ぐらいの水やりで大丈夫な場合もあります。乾燥に強い植物もありますが基本は土の表面の乾きを確認して水やりをします。
※土が湿った状態で水やりを繰り返すと根腐れします。根も呼吸しています。植物の枯らす原因は水やりのしすぎで根腐れを起こしてしまうことがとても多いです。
※乾燥に強い植物は多少乾燥で萎れても水やりをすると復活しますが、比較的水を好む植物は乾燥でしおれてしまったら元に戻らずそのまま枯れてしますことがあります。
植物をよく観察して適した水やりを施してあげましょう。
*肥料*
植え付け時の元肥、追肥、成長期の春〜秋に与えます。速効性の液体肥料などは1週間〜2週間に1回、緩効性固形肥料など1ヶ月に1回程施します。
肥料の与えすぎは、かえって植物を弱らせる原因になりますので適量を守って施してください。
*ハーブ類は肥料をあまり必要としないものもあります。その場合、1回の量を草花より半分ぐらい薄めてまたは粒剤タイプなら減らして与えます。
*植物要素
リン酸(P):花や実をたくさん付ける作用がある。呼吸やエネルギーの伝達に関与、根の伸長を促す。(実肥え)
チッソ(N):葉や茎を茂らせ株全体を大きくする作用がある。与えすぎると葉や茎ばかりが大きくなり花付きが悪くなる。(葉肥え)
カリウム(K):病害虫や気温の変化に耐えられる強い植物を作る。不足すると古い葉の先端から黄化したり、根腐れを起こしやすくなる。(根肥え)
上記の要素は施用効果が大きく不足しやすく、欠乏すると生育障害を起こします。
次に必要な要素:マグネシウム、カルシウム、イオウ
*微量要素:鉄、マンガン、銅、亜鉛、モリブデン、ホウ素、塩素
少量ですが必要とする養分です。
畑や花壇の土には有機物が含まれていますが、鉢管理は水と一緒に養分が流れるので補ってあげることで、きれいに元気に育ちます。
*手軽に使える肥料
緩効性肥料:元肥そだちBB マグァンプ グリーンそだちIBのちから など
液体肥料:ハイポネックス原液 アルゴフラッシュ など
*カルシウムや鉄などをミネラルを補える活力剤:リキダス HB101 など
*培養土*
*ハーブの土
・赤玉6、腐葉土3、パーライト1
・赤玉4、腐葉土3、バーミキュライト2、パーライト1
草花用培養土に赤玉土やパーライトを1割ほど混ぜ込んで使ってもいいです。
弱アルカリを好むハーブは苦土石灰、くん炭、珪酸白土などを培養土に1割ほど混ぜて酸度を中和します。
排水をよくするため、5分の1程度ゴロ石を入れます。
排水をよくするハーブ、保水を好むハーブとありますのでハーブの特徴で土の配合を変えてください。
きれいな花を咲かせる、実を成らせる、植物の栽培に適した土壌を作ることがとても重要になってきます。
透水性、通気性、保水性、保肥性のある土が好ましく、土の中で根がしっかりと張ることができます。
鉢植えの基本用土配合は、腐葉土4:赤玉土(小・中粒)6ぐらいを混ぜて使います。
排水性のよいパーライト、軽くて保水性のあるバーミキュライトなどの用土を配合する場合は、腐葉土4:赤玉土(小・中粒)5:バーミキュライト、パーライト1を混ぜます。
大体の目安です。その他にも腐葉土の代わりに酸度調整済みのピートモス、堆肥なども混ぜて使います
赤玉土に砂を混ぜたり、酸性土を好む山野草やつつじなどには鹿沼土を混ぜたりします。
赤玉土や鹿沼土は微塵も含まれています。袋の下に積もった微塵は使いません。
市販で売られている培養土は草花用、野菜用、山野草用、酸性土を好むつつじやアザレア、ブルーベリーなども専用の土が売られています。育てる植物によって用土が配合されているので手軽に使えます。
※団粒構造の土...微細な土の集合体を単粒構造と言い降雨があればドロドロになり、乾燥すればがちがちに固まってしまう土は通気性、透水性が悪く植物の成長に良くなありません。
粒子と粒子の間に大きなすき間ができる団粒構造の土は、通気性、透水性、保水性、保肥性がよくなり、新しい空気が土の中に入って根が呼吸しやすくなります。根も張りやすくなり養分も貯めやすくなるので植物の成長にとって良い環境になります。
養分や有機物を含む腐葉土、ピートモス、堆肥、透水性がよくなる赤玉土、鹿沼土などの用土を適正な配合で土壌を作ることが大事です。
植え替え時は古い土を落とし、新しい培養土で植え替えをします。その時に珪酸白土を混ぜるのもおすすめです。
*珪酸白土には土壌の酸性を中和したり、ミネラルの補給、肥効向上など土壌改良や根腐れ防止の効果があります。
*病害虫
ハーブの中には害虫に強いハーブもあります。ハーブが虫除けになって他の植物を助ける役割をするものもあります。
・害虫がつきにくいハーブ…ミント、ローズマリー、チェリーセージ、レモングラス、レモンバーム、タイム、フェンネル、スイートマジョラムなど。
・害虫がつきやすいハーブ…イタリアンパセリ、カモミール、チャービル、スイートバジル、ディル、ロケットなど。
病害虫は手で取っても間に合わない場合は、自然派志向の薬剤や野菜用の薬剤がおすすめです。
病原菌自体を予防するには花がら枯葉・雑草をこまめにとる、日にあてる、密集させすぎない風通しを良くする、水・肥料を必要な分与える、おかしい枝や葉、虫など発生源を見つけたら、すぐに取り除くことで病害虫の発生を抑えることができます。日頃の観察、基本的な作業で最小限に防ぎます。
発病してしまった場合殺菌剤を散布します。害虫の駆除はできれば手や割り箸などで取り除いてから殺虫剤をまきます。
春から秋は病害虫が出やすく、特に土の中の根を食べる幼虫などは見つけにくく、気が付けば枯れているということもよくあることです。あらかじめオルトランDXなどの殺虫剤をまいて予防するのもいいと思います。ナメクジも増えると厄介なので、出始める春〜梅雨入り前ぐらいからナメクジ用の薬剤を定期的に撒いておくと増えずに済みます。
少量の鉢栽培、小面積の薬剤散布は手軽に使えるハンドスプレータイプや土の上に撒く粒剤タイプが便利です。広い面積では水で薄めて希釈する薬剤を噴霧器で撒くのが便利でしょう。
薬剤は必ず希釈倍率で薄めて説明書とおりに使用します。
薬害が出やすい晴れた日中は避けて、朝夕か曇った日に施します。戸外に出して散布しましょう。必ずマスク、ゴム手袋、帽子など着用しましょう。
複数の殺菌殺虫剤を混ぜて散布できます。(例えば、ダコニール(殺菌剤)とスミソン乳剤とダニ太郎(殺虫剤)を混ぜて撒く)
効能に対して一つの薬剤を使い続けると抗体ができてしまうので、違う複数の薬剤を交合に撒くことで効果が持続します。
◎農薬とは・・作物を害する菌や虫や動物、作物の生育を妨げる雑草などを退治する薬剤。作物の生理機能を増進または抑制する薬剤などがあります。農薬の登録制度を設け、品質、適正な使用方法を定め、農業生産の安定、安全、生活環境を守ることを目的とした農薬取締法があります。毒性試験、代謝試験、残留試験、環境に対する影響試験など各種試験結果などにより安全性が確認され、農林水産大臣の登録を受けたものです。家庭園芸用殺虫殺菌剤はホームセンターやスーパーなどでも手軽に購入できます。
薬剤の種類:害虫を防除する殺虫剤、細菌やウイルスなど病原菌を抑える殺菌剤、混合の殺虫殺菌剤などあります。適用病害虫の薬剤を使用してください。
参考に…
アブラムシ(オルトラン液剤、オルトランDX粒剤、スミソン乳剤、ベニカシリーズなどの殺虫剤)
ハダニ(バロックフロアブル、ベニカXファインスプレーなどの殺虫剤)
黒星病、うどんこ病などに効果のある殺菌剤(サプロール、ダコニールなど)
※薬剤散布の際は使用基準を守って、注意事項に気を付けて行ってください。
農薬を詳しく知りたい方は農林水産省のホームページ「農薬の基礎知識」で掲載されています。
その他にも家庭園芸用殺菌殺虫剤を販売している「住友化学園芸」さんのホームページでも掲載されています。
*コンパニオンプランツ(共生作物)
ハーブには互いに生長するときに好ましい関係の相性があります。
・ミントとアブラナ科の相性◎ 殺菌効果、害虫予防になります。
・ラベンダーとバラ科の相性◎ 香りが害虫予防になります。
・タイムやチャイブはバラ類◎。黒星病やうどんこ病の予防になります。
・トマトとバジル◎ トマトの味がよくなりバジルが虫を寄せ付けてくれます。
・カモミールとキャベツや玉ねぎ◎ 玉ねぎの味がよくなり、カモミールが虫を寄せ付けてくれます。
・ローズマリーとマメ科やキャベツやにんじん◎ ハエやコナガなどの害虫予防になります。
・チェリーセージやラベンダーはアブラムシを寄せ付けない効果があります。
*ハーブは料理に使ったり、乾燥させて香りを楽しんだり、いろんなことに利用できる楽しい魅力のある植物です。
ハーブとは
HERBハーブはHerbaヘルバというラテン語が由来で、「緑の草」とか「薬草」という意味です。
健康・美容などに役立ち、薬草や食用に利用したり香りを楽しめる植物全般をハーブと言います。
フレッシュハーブは鉢植えや地植えのハーブを摘みたて生の状態のことを言います。
フレッシュハーブの利点はその季節の摘みたての新鮮さや独特の香りを楽しめることです。
ですがフレッシュハーブは保存ができないので使いきらないといけません。
ドライハーブは乾燥することで長期保存が可能になります。
ドライハーブの利点は乾燥させると成分が凝縮されることやハーブティー、ハーブバス、ポプリなど幅広く活用できます。
筆者:グリーンアドバイザー 南田(拙文ながらお役に立ちましたら幸いです)
*イングリッシュラベンダー(四季咲き) *オリーブ *タイム *ティーツリー(メラレウカ) *ユーカリ
*イングリッシュラベンダー(四季咲き)
育てやすい ☆☆☆
シソ科ラベンダー属 イングリッシュラベンダー 別名コモンラベンダー、真性ラベンダー
開花期5〜11月四季咲きに近い。
○日光を好みます。風通しのよいところで管理します。
土は酸性土壌を嫌います。弱アルカリ土壌になるように苦土石灰などで中和してください。
冬は積雪にも耐えます。屋外で越冬します。
加湿が苦手なので排水のよい土が適しています。
夏の暑さに強いタイプです。花が咲き終わって生い茂っているようでしたら半分ぐらいに切り戻ししてください。また秋に咲きます。
冬の場合も同じです。秋に生い茂って冬の間に切戻しを行うと春に咲きます。
○庭植えの水遣りは基本いりません。夏の乾燥時期などはたっぷり散水してください。
○鉢植えの場合、土の表面が乾いていたら水をあげてください。
○肥料は緩効性肥料を春と秋に与えてください。
○暑さ寒さに強い品種です。春と秋に咲いて花期が長い。
○香りの女王と言われるハーブ。ポプリ、ハーブティー、ハーブバスなど香りを楽しめます。
*オリーブ
育てやすい ☆☆☆
モクセイ科オリーブ属 オリーブ 開花期5〜6月 収穫期10月〜12月
○日光を好みます。室内でしたら陽の入る明るい場所に置きます。
土は酸性土壌を嫌います。弱アルカリ土壌になるように苦土石灰などで中和してください。
加湿が苦手なので排水のよい土が適しています。
冬はマイナス2〜3℃ぐらいまで耐えますので寒冷地以外では屋外で越冬します。
寒冷地の冬は室内に入れて管理してください。
オリーブの花はある程度寒さに当てないと花が付きにくい性質があります。
○鉢植えの場合、土の表面が乾いていたら水をあげてください。
乾燥に強いほうですが、夏の暑い時期の水切れには気をつけてください。
庭植えの場合は夏や乾燥時期以外では特にあげなくても大丈夫です。
○肥料は緩効性肥料を6月・10月・2〜3月に与えてください。(収穫をするには有機肥料をおすすめ)
○害虫はハマキガやスズメガなど。見つけ次第捕殺してください。
発生した場合スミチオンなど薬剤を使います。
○一般的に挿し木で増やします。
*日当たりの良いところの方がよく育つ。
*酸性土壌を嫌う。
*1本では実がならないので、実をつけるには異品種のオリーブを一緒に育てる。花粉量が多い「ネバティーブランコ」などおすすめです。
*鉢植えの場合、成長で1〜2年で根が回るので一回り大きい鉢に植え替える。
○マンザニロ・・スペイン原産。早生で実がなりやすい。塩漬けピクルスに向いている。観賞用としも人気。
○ネバティーブランコ・・スペイン原産。樹勢が強い。実が柔らかいためオイル向き。花粉量が多いため受粉樹としておすすめ。
*タイム
育てやすい ☆☆☆
シソ科イブキジャコウソウ属 タイム、コモンタイム 常緑低木 開花期4〜6月頃。
○日光を好みます。風通しのよいところで管理します。
土は酸性土壌を嫌います。弱アルカリ土壌になるように苦土石灰などで中和してください。
冬は積雪にも耐えます。屋外で越冬します。
加湿が苦手なので排水のよい土が適しています。
花後は2分の1程度切り詰めます。
冬の場合も同じです。秋に生い茂って冬の間に切戻しを行うと春にまたボリュームがでます。
○庭植えの水遣りは基本いりません。夏の乾燥時期などはたっぷり散水してください。
○鉢植えの場合、土の表面が乾いていたら水をあげてください。
○肥料は緩効性肥料を春と秋に与えてください。
○タイムに含まれているモチールという精油成分が殺菌、抗菌、防腐優れている。
○風邪の予防やのどが痛いときはタイムを入れてうがいや、タイムを入れたハーブティに蜂蜜を入れて飲むのも効果的。ドライにしたタイムで料理の香り付け、ハーブソルトなどにも使われます。
*ティーツリー(メラレウカ)
育てやすい ☆☆☆
フトモモ科メラレウカ属 ティーツリー 別名メラレウカ 常緑低木 開花期5・6月頃。
品種によってはブラシの木のような花が咲くものやワックスフラワーのような花が咲くものがあります。
○日光を好みます。風通しのよいところで管理します。
排水のよい土の方を好みますが、鉢植えの場合は水切れが早いので土の表面が乾いたら水を与えてください。
水切れをすると葉が縮れます。
庭植えの水遣りは基本いりません。夏の乾燥時期などはたっぷり散水してください。
寒さはあまり強くありません。関東地方より以南は屋外で越冬します。それ以外の地域の冬は室内に取り入れてください。
○肥料は緩効性肥料を少量春と秋に与えてください。
○耐暑性、耐病性で強健。成長も早いです。
○害虫は発生しにくいですが、もし害虫が発生したなら薬剤散布適量して下さい。
○ティーツリーの精油は殺菌、抗菌に優れていて爽やかな香りが人気のあるアロマオイルです。
*ユーカリ
育てやすい ☆☆☆
フトモモ科ユーカリ属 ユーカリノキ 常緑高低木 開花期は品種で異なる
○日光を好みます。室内でしたら陽の入る明るい場所に置きます。
土は酸性土壌を嫌います。中和〜弱アルカリ土壌になるように苦土石灰などで中和してください。
加湿が苦手なので排水のよい土が適しています。
品種によって耐寒が異なります。レモンユーカリは耐寒性がないので冬は室内管理します。
シルバーダラー、グニーユーカリ、グロブルスなどは−10℃ぐらいまで耐えます。
○鉢植えの場合、土の表面が乾いていたら水をあげてください。
乾燥に強いほうですが、夏の暑い時期の水切れには気をつけてください。
庭植えの場合は夏や乾燥時期以外では特にあげなくても大丈夫です。
○肥料はそれほどたくさんいりません。緩効性肥料を適量春と秋に与えます。
○害虫は付きにくいですが、春〜秋にうどん粉病にかかりやすいです。薬剤散布で予防します。
○成長が早いので真夏以外に摘心をかねて剪定をします。枝の先の芽を摘心することで成長を抑えたり、わき芽を増やすための作業を行います。
○一般的に挿し木、種まきで増やします。
*日当たりの良いところ乾燥気味に育てる。
*酸性土壌を嫌う。